「小学校は、美しい世界なんだよ」
恩師の一人がそうつぶやく。その人の語りは、人をひきつけ、授業では子どもたちの目がキラキラと輝きだす。こうして、小学校の教育現場の神髄を見た気がした。
自分が存在する証明をする。そのための高貴なる使命として「温かな学級を生み出す」と自分にも外にも掲げてきた。言語化するならば、大空小学校の木村泰子元校長の4つの力。そして、岩瀬直樹氏の信頼ベースでの学級づくり。この辺が自分の軸になっていることは間違いない。
1、人を大切にする力
2、自分の意見を持つ力
3、自分を表現する力
4、チャレンジする力
この4つの力に全て帰属する形ならばいい。「温かな」というのは、つまりこの4つが揃って成り立つ文化である。また、より具体的なアプローチは、岩瀬学級の実践が取っ掛かりになりそうである。ファシリテーション、作家、読書家、ジャーナル、PAといった「関係のつなぎ直し」からチームビルディングへと発展していく。実際の学力面では、ワークショップ形式で学力の形成を実現するプロジェクトを進めたい。
実際、2年生での課題として大きく2つあった。一つは、作家の時間などを年間で取り上げたが、基礎の学力形成にまで及ばなかったこと。またその実践がその子が本当にやりたい、没頭してまでのことにならなかったこと。淡路島で、ちょんせいこさんとお話しする機会があった。そこでは、「みんなが物語を書く必要がない。ある子は、生物図鑑を作ってもいいし。それ、めっちゃおもしろいやんって、先生が面白がれるか。」
ずしんと響く。何人かの子の顔が思いつく。この子の書きたいことは、物語ではなった。結局、それは自分の枠に当てはめているだけ。物語を書かせたいという枠はある限り、その子たちは自分の考えを超えることはない。いつだって枠を超える者は、自発的に好きを振りまいて邁進していく。こちらが上限のキャップを植え付けていたのだ。猛省。
二つ目は、授業で自信をつけていく、関係性を構築していく手を緩めたこと。どうしても、作業感が強くなり、関係性が「出来る・出来ない」の二極化になってしまった。ある子が「算数きらい」と言うような学習実態。これでは、温かな、エンパワーし合う学級は作れない。学ぶことにより、成長実感があある。そして、その学びを媒介に周りの人間ともつながっていく。思わず語りたくなる。思わず表現したくなる。思わず、やりたくなる。自然と友達と繋がっていた。もっと高いところに、チャレンジしたくなる。そんな学びのコントローラーを、がっつり子どもたちに握って欲しい。それが、現状の理想郷。
「小学校って、面白い!」という景色。そこにいたるまでの道のりは、まだ具体的ではない。どんな情景なのかもイメージがつかず、そしてやりたことばかりが先行しているかんじ。
国語では、作家。社会ではワークショップ。学期初めには、リフォームプロジェクトもしたいし、サークルタイムから朝を始めたい。年間のカリキュラムに、ポケットとパレットを入れて、がっつり実践提案もしたい。そのためには・・・
まずインプットだ。そこから、自分のデザインを、緻密に、かつ大胆に。今年度は、大きな、風穴を開けよう。
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