自分の強みを理解しているか。それを言語化できるのか。そう聞かれて答えられる人はどれほどいるだろうか。
「苦しかったときの話をしようか」の著書の森岡毅氏は、自分の強みを理解して、それを徹底的に伸ばすことを「自分のブランド化」という言葉を形容していた。
その自分ブランドを生かすために、仕事もプライベートもつなげて、利になるようシナジー化する。それがきっと、「腕を磨くこと」に直結していくだろう。では、「自分の強みは、なんなのだろうか」
どの職務においても、重要なビジネスパーソンとしての基礎能力を大きく3つに分類すると、Tの人(thinking)、Cの人(communication)、Lの人(leadership)という区分になると森岡氏は言う。
これに基づいて考えていくと、自分の専門性はどれか・・・。きっと、コミュニケーションの人にはならないんだろうと感じる。積極的に話しかけたり、輪を広げにいく事は苦手分野だ。特に、何かの集団に対して、壁を作りやすいところがある。「自分のパーソナルスペースは、ここまで」と殻にこもる。それが自分のスタイルだと、勝手に思い込みをしているところはあるが、結局それが居心地が良くなっているところを見ると、Cが火力を持つことはなさそうだ。
では、Lのリーダーシップを考えてみる。ガンガンと意見を出して、巻き込んでいく。そんなリーダーの気質はない。ただ、周りの様子を伺い、状況を把握して後ろから眺めてみる。そして、必要なところにフォローに行く、補う。どうやったら、暖かい場が生まれるか、場づくりに特化してファシリテーションをしたい。その気持ちは強くあるように思う。何か主導権を握って、「俺について来い!」ではなく、「へえー、そんな感じなんだね。じゃあ、一緒に作っていこうか。どうする?」ぐらいの緩さと、行き先のある意味での安定のなさ。これが持ち味だと思いたい。
Tの人に関しては、他人の頭の中と比べたことはないからあまりはっきりとしたことはわからないが、よく思考する方なのではないかと思う。批評をしたがる。理屈を追いたくなる。そうして、頭の中でぐるぐると考え、「これだ!」というものにたどり着くまで行動に移せない。ただ、そのぐるぐる感を持ちつつ、対話することは大好き。人からの意見とも比較し、自分の思考の練度を上げていく。その作業が何より心地よかったりする。これが、メインウェポンになり得そうだ。
では、この大きな3つを区分したところで何なのか。それは、自分の強みをもう少し細かく細分化する一助となる。LとTの区分ならば、動詞として「聴く」、「創る」、「生む」などが共通項として導き出されそうだ。その場のリーダーとして聴く、人に聴いて思考する。リーダーとして場を創る、思考できる対話の文化を創る。リーダーとしてゆるやかさと安心感を生む、新たな思考を生む。それが、自分の強みとして焦点化していく。
自分の強みを把握することで、日々の仕事の意識にも影響がありそうだ。何より、人から見られる時、プライベートの時でもその基本戦略が生きてくる。どのように「聴く、創る、生む」のか。そうやって、自分の長所を伸ばしていく。これが、人生に幅を持たせてくれる気がする。
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